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絵本は心の処方箋をテーマに大人にこそ読んで欲しい絵本をご紹介する絵本紹介士いぶきが絵本のこと+αを語ります。

【絵本紹介士がすすめる】ぐりとぐらの作者山脇百合子さんの絵本3選

ぐりとぐら

2022年9月29日に、「ぐりとぐら」の作者としても有名な、山脇百合子さんが亡くなられたとの訃報が飛び込んできました(享年80歳)。

 

ぐりとぐら」と言えば、誰もが子供の頃、一度は読んだことのある絵本なのではないでしょうか?そんな数々の作品をこの世に残した、山脇百合子さんの絵本の中から、追悼の意も込めて、いぶきがおすすめする3冊をご紹介したいと思います。

 

山脇百合子ってどんな人

1941年に東京に生まれた山脇百合子さんは、大学でフランス語を専攻されていたようです。高校生の頃から童話の挿絵や絵本の仕事を手がけており、実姉である中川李枝子さんとの共著も多く、それらの作品は何世代にも愛される、作品となっています。

 

今読みたい山脇百合子の絵本3選

ぐりとぐらのおきゃくさま

著・イラスト:中川李枝子・山脇百合

出版社:福音館書店

対象年齢:3歳から大人まで

 

シリーズ全体でも2600万部を超える国内有数の大ヒットとなった「ぐりとぐら」。

英語版を皮切りに今では10カ国以上の言語に翻訳されています。

どの作品も甲乙つけがたいのですが、今回は「ぐりとぐらのおきゃくさま」をご紹介したいと思います。

 

森で雪合戦をしていたぐりとぐら。雪の上に大きな足跡を発見します。

足跡は森を抜け原っぱを通り、たどり着いたのは、なんとぐりとぐらのお家でした。

ドアを開けると大きな長靴、壁には真っ赤なコートがかかっています。

一体誰がいるんだろう??そう思った時に台所からとってもいい匂いがしてきます。

二人が除いてみると、そこには真っ白なお髭のおじいさんがケーキを作って二人を待っていました。二人の作るホットケーキにも負けないくらい美味しそうなケーキを見て、思わず食べたいと思ってしまうのは私だけでしょうか?

大きな足跡は誰なんだろう??自分まで謎解きしているようなワクワク感がたまらない1冊です。クリスマスシーズンにおすすめです。

 

そらいろのたね

著・イラスト:中川李枝子・山脇百合

出版社:福音館書店

対象年齢:3歳から大人まで

 

ゆうじ君が模型飛行機で遊んでいると、森のキツネがやってきました。

「やあ! いいひこうきだなあ! ゆうじくん、ぼくに、そのひこうきを ちょうだい」

キツネがそう言いますが、この飛行機はゆうじ君の宝物。簡単に譲れるものではありません。

諦めの悪いキツネは、それでもゆうじ君の飛行機が羨ましくてたまりません。

「それじゃあ、ぼくの たからものと、とりかえて」

キツネはそう言うと、ポケットから『にじいろのたね』を取り出しふたりは、飛行機と種を交換しました。

 

早速、もらった種を庭に埋め、たっぷりのお水を与えると、あら不思議、次の日にはそこに空色の家が建っていました。

その後も家はどんどん大きくなり、ひよこ、猫、さらには豚までその家に住み着いて行きます。

気づけば町中の子供達や森の動物たちが、立派な家に住みたくてやってきます。

ところが、そこに狐がやってきて、立派になった家を見て、飛行機を返すからお家を返してほしいと言ってきます。

「おーい、このうちは ぼくのだからね。だまって はいらないでよー。みんな でていっておくれー」と、キツネが大声で怒鳴り始めました。

そんな意地悪な狐におきた結末とは??

 

絵本ももちろん素敵なのですが、個人的にはスタジオジブリが作ったアニメーションも大好きです。ショートショートというDVDに収録されていたかと思うので、合わせてみてほしい作品です。

 

 

いやいやえん

著・イラスト:中川李枝子・山脇百合

出版社:福音館書店

対象年齢:4歳から大人まで

 

 

元気だけどわがままなしげるくんがいやだ、いやだと駄々をこねるので、「いやいやえん」に連れてこられることに。

しげるくんたちが積み木でつくった船でクジラをとりにでかけたり、山のぼりで山の果物を食べすぎてしまったり、赤いバケツをもって保育園にやってきた小ぐまの話など、全部で7つのお話でできています。

1962年に初版が出てから今まで読み継がれている1冊です。

 

さていかがだったでしょうか?山脇さんが描かれるイラストは全て実物のモノを見本として丁寧に描かれているそう。

だからこそ、感情移入してその世界観に入り込むことができるのかもしれませんね。

おまけ

どっちがぐりでどっちがぐらかわかりますか?

実は青い帽子と服を着用しているのが「ぐり」、赤い帽子と服を着用しているのが「ぐら」で二人は双子の男の子なんです。

名前の由来は、中川さんが勤めていた「みどり幼稚園」の子たちのお気に入りだったフランスの絵本からヒントを得たそうですよ。