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絵本は心の処方箋をテーマに大人にこそ読んで欲しい絵本をご紹介する絵本紹介士いぶきが絵本のこと+αを語ります。

【絵本紹介士がすすめる】今読みたい、かこさとしの絵本5選

かこさとし展

かこさとし

渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで行われている、「かこさとし展ー子どもたちに伝えたかったことー」を見に行ってきました。

かこさとしさんといえば、だるまちゃんシリーズやカラスのパンやさんなど、一度は読んだことがある方も多いのではないでしょうか?

 

いぶきも、自分自身母親に読んでもらった記憶がありますし、娘にもたくさん読み聞かせをした記憶があります。

 

生涯600冊以上の作品を描いてきたかこさとしさんの原点と言える作品をはじめ、あの人気シリーズの原画や誕生エピソードなどを見ることができます。

9月4日まで開催されていて、予約が必要となりますので、興味がある方はぜひ足を運んで見てください。

 

www.bunkamura.co.jp

 

からすのパンやさん

からすのパンやさん

かこさとしってどんな人

1926年福井県越前市出身、2018年5月(92歳)に亡くなるまでに、600冊以上の作品を手がけたと言われています。

「子供たちは、ちゃんと自分の目で見て、自分の頭で考え、自分の力で判断し、行動する賢さを持つようになってほしい。その手伝いをするのなら、死にはぐれた意味もあるかも知れない。(かこさとし「未来のだるまちゃんへ」より)

 

「どの絵本も、いつも子供さんのために」という姿勢で作品を作り続けていたからこそ、世代を超えて今もなお愛され続ける作品を作ることができたのかも知れませんね。

 

さて、数多くのかこさとしさんの作品の中から、いぶきがおすすめする絵本5選をご紹介したいと思います。

 

今読みたい、かこさとしの絵本5選

だいこんだんめん れんこんざんねん

著・イラスト:加古里子 かこさとし

出版社:福音館書店

対象年齢:4歳から大人まで

 

 

お母さんが包丁で果物や野菜を切ろうとしています。

あなたは外から見ただけで、中の様子がわかりますか?

これがお母さんが野菜や果物を半分に切った様子です。

包丁やナイフで切ると平らな切り口ができます。そこを断面といいます。

中がどうなっているのか知りたい!そう思ったことありませんか?

果物から建築物までありとあらゆる断面図を紹介するこの絵本。

子供はもちろん、大人も読んでいてワクワクする絵本です。同じように断面を扱った絵本「だんめんず」も合わせてオススメです。

 

 

うつくしい絵

著・イラスト:かこさとし

出版社:偕成社

対象年齢:小学校低学年から大人まで

 

この絵は、モナ・リザという名の世界で一番美しいと言われている絵です。

優しく慎ましくて淑やかな女の人を描いた絵です。

この絵をよくご覧なさい。

薄い眉毛、少し下を向いた細い目。

じっとこちらを見ている瞳。

ちょっと笑っている唇。

柔らかな首。

なだらかな胸。

そっと重ねた手…

そうした姿や形が、見る人に、しなやかで優しい感じを与えるのです。

しかし、姿や形が優しいだけで、この絵が美しいのではありません。

これは、モナリザを説明したものなのですが、このように、よく知られた名画の魅力と作品の背景などが描かれている絵本です。

美術の入門書としてもおすすめの一冊です。

同シリーズでうつくしい彫刻も合わせてオススメです。

 

 

 

どろぼうがっこう

著・イラスト:かこさとし

出版社:偕成社

対象年齢:3歳から大人まで

山の村はずれに泥棒学校という変な学校がありました。そこの校長先生は、世にも名高い『くまさか とらえもん』先生です。

「おっほん、どろぼうがっこうの せいとは、いっしょうけんめい せいだして、 はやく いちばん わるい どろぼうに なるよう、うんと べんきょうしなければ いかんぞ。いいか、わかったか。」

校長先生が言って聞かせると、生徒達は元気な声で「はーい。」「へーい。」「ほーい。」と間抜けな返事をしました。

間抜けた校長先生と生徒たちの世にもおかしな泥棒学校のお話。

1973年に販売されてから、今だに人気の高い作品です。

 

からすのパンやさん

著・イラスト:かこさとし

出版社:偕成社

対象年齢:3歳から大人まで

 

いずみがもりは、千本以上の木々が生い茂るカラスの町。木々の上にはカラスのおうちがあって、その一つにカラスのパン屋がありました。

ある日、カラスのパン屋のおうちでは、四羽の赤ちゃんが生まれます。不思議なことに、赤ちゃんの体は黒色ではありませんでした。白、黄、赤、茶、それぞれ違った色をしていたのです。

白色のカラスはオモチちゃん。黄色のカラスはレモンちゃん。赤色のカラスはリンゴちゃん。茶色のカラスはチョコちゃん。カラスの夫婦は、体の色にぴったりの名前を赤ちゃん達に名付けました。

1973年に発売された、からすのパンやさんはかこさとしさんの代表的な作品の1つです。絵本に出てくるパンが兎にも角にも美味しそう。

2000年に入ってから、「からすのやおやさん」「からすのおかしやさん」「からすのそばやさん」「からすのてんぷらやさん」など

「からすのパンや」さんでは子供だったカラスたちが大人になってからの物語が描かれています。

 

 

だるまちゃんとかみなりちゃん

著・イラスト:かこさとし

出版社:福音館書店

対象年齢:3歳から大人まで

 

雨の日、だるまちゃんが外に遊びにいくと、空から浮き輪とかみなりちゃんが落ちてきました。だるまちゃんは、木に引っかかった浮き輪を取ってあげようと、傘を投げますが、傘もいっしょに引っかかり、2人で困ってしまいました。

だるまちゃんシリーズも、かこさとしさんの代表作。

お礼に連れて行ってもらったかみなりちゃんの世界が個人的にとても好きなので、今回は、「だるまちゃんとかみなりちゃん」を選びましたが、その他にもこのだるまちゃんシリーズには、「だるまちゃんとてんぐちゃん」「だるまちゃんとうさぎちゃん」「だるまちゃんととらのこちゃん」「だるまちゃんとだいこくちゃん」「だるまちゃんとてんじんちゃん」「だるまちゃんとやまんめちゃん」「だるまちゃんとにおうちゃん」などがあります。

 

いかがだったでしょうか?どの本も何十年にわたって愛されている作品ばかりで、思わずクスッと笑えたり、勉強になったり、大人になっても読み返したい絵本ばかりです。

気になった本があったらぜひ手にとってみてください。

 

かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと

会期

2022716()94()

会場

Bunkamuraザ・ミュージーアム

東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Tel. 050-5541-8600

開館時間

10:0018:00(入館は17:30まで)

毎週金・土は21:00まで(入館は20:30まで)

休館日

7/26