ちひろ美術館 2010→2021 日本の絵本展に行ってきました
ちひろ美術館で開催されている2010→2021 日本の絵本展に行ってきました。
ちひろ美術館とは?
ちひろ美術館とは、いわさきちひろが人生最後の22年間を過ごした自宅兼アトリエ跡に建てられた美術館で、場所は西武新宿線上井草駅下車徒歩7分の閑静な住宅街の中にあります。
1977年9月、ちひろの死から3年後に世界で最初の絵本美術館、いわさきちひろ美術館(現在のちひろ美術館)は開館され、さまざまな企画展などを楽しむことができます。
また、常設のちひろのアトリエやちひろが愛した草花などが咲き誇る「ちひろの庭」など、ちひろを身近に感じながら作品に触れ合うことができます。
2010→2021 日本の絵本展について
ちひろ美術館では10年ごとに時代を代表する絵本を紹介する展覧会を開催しています。
コロナの影響で3年延期になったこの企画も今回で4回目を迎えます。
2010年から2021年までに出版された絵本の中から注目を集めた作品や今後が期待できる作家の作品を紹介しています。
また、今回の展示会で特徴だったのが、東日本大震災や戦争・平和をテーマにしている作品も数多く紹介されており、ここ10年間子供たちの環境を取り巻くような作品も多く紹介されていました。
いぶきが注目した作品を紹介
どの作品も選出されていることに納得感のある作品ばかりだったのですが、その中でもいぶきが注目している作品をご紹介します。
「しろとくろ」
作:きくちちき 2019年刊 講談社
好奇心いっぱいの白い猫がある日、黒い犬と出会います。
二人はとっても仲良しになりました。
なんで寂しいの
なんで眠れないの
なんで会いたいの
誰かを好きになった時に感じる気持ちがとてもストレートに描かれている作品です。
「ネコヅメのよる」
作:町田尚子 2016年刊 岩崎出版
まずは、表紙のインパクトでどんな絵本なんだろうと?と想像を掻き立てられます。
ある日の夜のこと、「もしかして、そろそろかもしれない。間違いない、今夜だ」
そう1匹の猫がつぶやいた夜、街中のあちらこちらから猫が次々と現れます。
そして、猫たちが見たものはなんだったのか!?
猫の表情がとても可愛らしくって、猫好きにはたまらない絵本です。
「たまごのはなし」
作:しおたにまみこ 2021年刊 ブロンズ新社
「やあこんにちわ。私は卵。今から私の話をするからね。よく聞いておくんだよ。」そう言って卵は自分が突然「どうして私はいつまでもこんな風に転がっているんだろう?」と疑問に思い立ち上がったこと、マシュマロを巻き込みながらキッチンを出て冒険に出たことなどを語り始めます。キャラクターがインパクトがあるのはもちろんのこと、意外といいこと言うなと思えることを言ったりして、ついつい引き込まれてしまう絵本です。
いぶきが運営しているpbook museumでもご紹介しているので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。
「ひばりに」
作:内田麟太郎 絵:うえだまこと 2021年刊 アリス館
僕には言葉がない 君にかける言葉がない
僕はただ座るしかない<br<俯く君の隣に
内田麟太郎さんが東日本大震災の被害にあった子どもたちに向けて送ったメッセージ。
研ぎ澄まされた言葉の中に優しさが感じられ、読んでいるとほっとするような絵本です。いぶきが運営しているpbook museumでもご紹介しているので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。
あなたがおとなになったとき
「あなたが大人になったとき、どんな歌が好きだろう」
子どもたちに問いかける形でストーリーが進んでいくこの絵本。
新しい世界に期待をしながらも、少し不安で、そんな複雑な心境を支えてくれるような
優しい言葉で溢れている絵本です。
いかがだったでしょうか?他にもたくさん素敵な絵本が紹介されていたので、ぜひこちらの展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか?
2010→2021 日本の絵本展概要
開催期間:2023年10月7日(土)〜 2024年1月14日(日)
開室時間:10:00〜17:00
休館日 :月曜日
会場 :ちひろ美術館・東京