pbookmuseum-ibukiのブログ

絵本は心の処方箋をテーマに大人にこそ読んで欲しい絵本をご紹介する絵本紹介士いぶきが絵本のこと+αを語ります。

【絵本紹介士がすすめる】今読みたい、ヨシタケシンスケの絵本5選

ヨシタケシンスケ展

ヨシタケシンスケ

大人にも子供にも人気のヨシタケシンスケの頭の中を覗けるような展示会

お子さんを持っているお母さんやお父さんならご存知の方も多いと思いますが、

ヨシタケシンスケさんは大人でも子供でも思わずクスッと笑ってしまうような、そして、新しいものの見方を教えてくれる絵本を描く作家さんで、2022年最も有名な絵本作家さんといっても過言ではないかと思います。

そんなヨシタケさんの展覧会があるということでいってきました。

展覧会ではヨシタケシンスケさんが1万枚を超えるスケッチの中から厳選して約2,000枚を公開。どうやって発想を飛ばしているのかなどの模造紙も展示されており、ヨシタケさんの頭の中を覗いているようで、とても面白かったです。

 

ヨシタケシンスケ展

ヨシタケシンスケ

東京では7月3日まで東京世田谷文学館で開催されているのですが、チケットはすでに完売している模様。今後、兵庫、広島、愛知でも開催されるようなので、お近くの方はぜひチェックしてみてください。

展示数が多いのと、グッズ売り場が混んでいるので、時間には余裕を持っていくことをおすすめします。

ヨシタケシンスケってどんな人?

ヨシタケシンスケ(よしたけしんすけ)

1973年神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。

2013年に初の絵本『りんごかもしれない』で絵本作家デビュー。

イラストレーターとして児童書の挿絵、装画、広告美術など多岐にわたる分野で活動されています。どこに行くにもスケッチ帳を持ち歩き、面白いと思ったことやモノをかきとめていて、絵本作家になるずっと前(20年以上前から)から続けているそう。

ヨシタケシンスケさんに聞く、想像力のはばたかせかた。言葉を超えた感情をコレクションして、世界をもっとおもしろがってみる | STORIES | DIVERSITY IN THE ARTS TODAYより一部引用

 

さて、そんな数多くのスケッチ帳の種から生まれたヨシタケシンスケさんの絵本の中で、いぶきがおすすめする絵本5選をご紹介したいと思います。

 

今読みたい、ヨシタケシンスケの絵本5選

あつかったらぬげばいい

著・イラスト:ヨシタケシンスケ

出版社:白泉社

対象年齢:3歳から大人まで

 

ヘトヘトにつかれたら

歯も磨かずにそのまま寝ればいい

 

太っちゃったら

仲間を見つければいい

 

どうしても買って欲しかったら

いい子のフリをすればいい

 

この絵本に描かれている言葉は一見、「してはいけない」「やらないほうが望ましい」

と私たちが無意識の中で思っていることばかり。

読み進めるうちに「〇〇しちゃいけないって」誰が決めたことだったんだっけ?本当にそうなんだっけ??と次から次へと疑問が出てきて、最後には自分を縛りつけているのは実は自分自身なのかも?と気付かされる、そんな絵本です。

真面目な大人にこそ、手にとってほしい1冊です。

 

pbook-museum.com

 

にげてさがして

著・イラスト:ヨシタケシンスケ

出版社:赤ちゃんとママ社

対象年齢:4歳から大人まで

 

「そう。人は動くことができる。動くかどうかを自分で決めることができる。」


「気持ちの置き場所だって動かすことができる。」


「自分を変えるために動いてもいいし、自分を変えないために動いてもいい。」

 

私たちはついつい逃げること=良くないことって考えがちだが、実は逃げることも、逃げないことも自分で決めていいんだって気付かされる1冊です。

 

pbook-museum.com

 

それしかないわけないでしょう

著・イラスト:ヨシタケシンスケ

出版社:白泉社

対象年齢:4歳から大人まで

 

ねぇねぇ知ってる?未来は大変なんだぜ。

そうゆうお兄ちゃんの言葉に不安になった女の子

おばあちゃんにその疑問をぶつけると

おばあちゃんは「だーいじょうぶよ!」と

「未来はどうなるかなんて誰にもわかんないんだから!」

「大変なことだけじゃなくて、楽しいことや面白いこともたーくさんあるんだから」

大人はすぐに未来はきっとこうなるとか、だからこうするしかないとか言うけど、それって外れることも多いし、他の未来だってたくさんあるんだから大丈夫そう思わせてくれる1冊です。

漠然とした将来の不安は誰にでもあるもの。この絵本を読むことで自分の考え方1つで楽しい未来を作ることができるのかも、そう思わせてくれる1冊です。

 

www.hakusensha.co.jp

 

このあとどうしちゃおう

著・イラスト:ヨシタケシンスケ

出版社:ブロンズ社

対象年齢:4歳から大人まで

こないだおじいちゃんが死んじゃった。

おじいちゃんの部屋を掃除していたらベッドのしたらか1冊のノートが。

「このあとどうしちゃおう」と書かれたノートにはおじいちゃんが亡くなってから

自分が死んだらしてほしいこと、やりたいことがイラスト付で描かれていました。

一見、お爺ちゃんは自分の死を受け入れ、天国へ行くことが楽しみにしていたんじゃないかと思う一方で実はお爺ちゃんは死が怖くって少しでもそれを和らげるためにこんなノートを残したのかもしれないと男の子は思い始めます。

この絵本は『死』をテーマに扱っているにも関わらず、ユーモアに溢れています。

それと同時に「今をどう生きていくかが大切」といった深いメッセージも込められています。「死」について語ることがタブー視されがちですが、この本をきっかけに「死」について考え、語らう時間も実は必要なのかもしれないと思わせてくれる1冊です。

 

www.ehonnavi.net

 

みえるとかみえないとか

著:ヨシタケシンスケ伊藤亜紗

イラスト:ヨシタケシンスケ

出版社:アリス館

対象年齢:4歳から大人まで

「ぼく」は宇宙飛行士。いろんな星を調査するのが仕事です。

ある星で出会ったのは、前にも後ろにも目がある宇宙人。「ぼく」が後ろを見えないことを知ると可哀想に思って、ものすごく気を使ってくれるので変な気持ちになってしまいます。

この絵本では見える人と見えない人の世界の感じ方の違いや、見えないからできないことや見えないからこそできることが描かれています。

私たちが普段「当たり前」と思っていることが実はそうじゃないと気づかせてくれる

1冊です。

www.alicekan.com

ヨシタケシンスケのテキスト

ヨシタケシンスケのテキスト

 

さていかがだったでしょうか?ヨシタケシンスケさんの絵本はクスッと笑える要素もある一方で、頭を柔らかくする発見が見つかったりする絵本も多いですよね。

気になった本があったらぜひ手にとってみてください。

 

ヨシタケシンスケ展について

東京会場

会期 2022年4月9日(土)~7月3日(日)
会場 世田谷文学館
東京都世田谷区南烏山1-10-10 Tel. 03-5374-9111
開館時間 10:00~18:00(展覧会入場、ミュージアムショップは17:30まで)
休館日

毎週月曜日

兵庫会場

会期 2022年7月15日(金)~8月28日(日)
会場 市立伊丹ミュージアム
兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20
開館時間 10:00~18:00(入館は 17:30 まで)
休館日 毎週月曜日(ただし7月18日は開館、翌19日は休館)

広島会場

会期 2022年9月23日(金・祝)~11月20日(日)
会場 ひろしま美術館
広島県広島市中区基町3-2 中央公園内

愛知会場

会期 2022年12月10日(土)~2023年1月15日(日)
※2023年1月1日(日)休館
会場 松坂屋美術館
愛知県名古屋市中区栄3-16-1 松坂屋名古屋店 南館7階

詳細は展覧会のHPをご覧ください。

yoshitake-ten.exhibit.jp